宅内排水設備工事

宅内排水設備

宅内排水設備工事の前に・・・

宅内排水設備の説明をする前に、まず、公共下水道について知らなければなりません。
突然ですがオランダのイメージは何ですか?
風車?チューリップ?   ・・・・・それらもそうですが、水の国というイメージ、ありませんか?
4分の1が海抜より低い国ですから治水、下水技術に長けており、オランダでは公共下水道普及率が98%にも及びます。
日本での公共下水道普及率は2006年の時点で69.3%なので、だいぶ差があります。
ただし、日本は、山あり、谷ありの地形ですので、単純に比べることができないかもしれませんが・・・。
ちなみに神奈川県の普及率は94.5%、当社のある愛川町は86.5%です。

地域、自治体によって形態が多少変わりますのでこれからは愛川町での説明をしていきます。
公共下水道の整備は愛川町が発注者となり工事を行います。
内容としては道路へマンホール、本管を布設し、そこから各家庭へ枝管をとって公共汚水桝(以下公桝と呼びます。)を設置します。
この公桝へは汚水(家庭から出るトイレやお風呂、流しなどの排水)のみとし、雨水を流すことは出来ません。
公桝は基本的に1敷地に1箇所とし、自治体で管理するものですので、庭にあるからといってその上に荷物を置いたり、土で埋めたりしてはいけません。
この設置位置により、のちに説明する宅内排水設備の工事費が変わってきますので自治体で公桝を設置する工事の連絡を受けた時は、慎重に位置を決めたほうが良いでしょう。

宅内排水設備工事とは

宅内排水設備工事とは新築時、あるいは汲み取り式または浄化槽を廃止し、各家庭の流し、トイレ、お風呂など水周りからの排水を、上記で説明した公桝へ接続する工事を言います。
ということは、各家庭の水周りから公桝までの距離が短ければ工事費が安く抑えられるというのがわかります。
これが上記で慎重に位置を決めたほうが良いといった理由です。
ただし、公桝は民地境界より1メートル程度以内に設置することになっていますので敷地の奥へ公桝を設置してもらうことは出来ません。
また、比較的新しく建てた家は、既存の排水管最下流と公桝を接続するだけですむよう配管している可能性がありますので、その辺も考慮して公桝の位置を決めましょう。
外部に蛇口がある場合、そこにも接続しなければなりません。また、雨水が流入しないよう処置の必要な場合があります。
ただし、庭、草木への散水のみに使用する場合はこの限りではありません。
古い住宅ですと、雑排水(トイレ以外の排水)と雨水を合流させて道路の側溝へ流している場合があります。
公共下水道へは雨水を流すことが出来ませんので汚水とは別に雨水排水管を布設しなければならない場合があります。
このような住宅の場合、見積りに雨水設備が入っているか、また、入っていない場合はどう処理するのか確認したほうが良いでしょう。
宅内排水設備 経路

工事の流れ

  1. 業者見積り依頼、業者決定
  2. 申請書提出
  3. 現場施工
  4. 完成届提出
  5. 完成検査

工事は指定下水道工事店でなければ行うことが出来ませんので注意してください。
工事を始めるにあたり、申請書を提出します。
添付書類として

  1. 案内図
  2. 浄化槽廃止届
  3. 平面図
  4. 縦断図
  5. 融資申請書・同意書
  6. 見積書
  7. 念書

申請は通常業者が行いますので申請者(施主)は押印、住所、氏名等の記入のみです。
愛川町では処理開始区域になってから3年以内に、くみ取り便所を水洗便所に改造したり、浄化槽を廃止して直接公共下水道へ放流するための工事を行う場合は、町の奨励金交付制度又は融資あっせん制度のどちらかを利用できます。
同意書とは融資斡旋を受けるにあたり、町税(国民健康保険税)の納付状況を確認することへの同意書です。
また、工事金額により融資金額、奨励金が変わりますので見積書を提出します。融資斡旋、奨励金に該当しない場合は必要ありません。
念書とは、上記でも触れましたが、比較的新しい住宅の場合など、既設の排水管や汚水桝を利用すれば工事費を下げることができます。そのような場合に必要となります。
これは「既設の排水設備を使用したことが原因で詰まり等が生じても、施工業者や愛川町に苦情を言わない」というものです。
古い住宅の場合でも排水勾配があえば既設の排水管を使用することも可能ですが、長年使用している管は劣化、汚れの付着が激しく、あまりお勧め出来ません。

施工中は基本的に水周りを使用することが出来ませんので注意が必要です。
ただ施工完了までに数日掛かる場合、夜も使えないのでは困ります。
そんな時はその日の施工終了時に仮接続して使用できるようにしますので安心してください。
公共下水道に切り替えた場合、浄化槽は使用しませんので汲み取り後に処理します。
この汲み取り手配は業者が行いますが、請求書は施主に送付されますので覚えておいてください。

完成後、完成届を提出しますので、再び押印、記入など必要です。
添付書類

  1. 案内図
  2. 平面図
  3. 縦断図
  4. 奨励金交付申請書
  5. 奨励金請求書
  6. 同意書
  7. 精算書
  8. 精算内訳書

こちらの同意書とは奨励金を受けるにあたり、町税(国民健康保険税)の納付状況を確認することへの同意書です。
奨励金に該当しない場合、4から8までは必要ありません。

完成届提出から数週間で完成検査を行い、検査に合格すると下水道検査済証を玄関等に貼り付けられて終了となります。

宅内排水設備については以上です。
何かあればお問い合わせください。 toiawase.tif